自炊の1歩先へ。料理のレシピ保管庫としてGeminiのノートブックを活用する実践法
スマホが登場したばかりのころ、手元の本を裁断・スキャンしてPDF化する「自炊(自吸い)」という文化が一世を風靡しました。Kindleなどの普及で一時期落ち着いていたこの自炊ですが、最近ではAIにデータを読み込ませる「AI時代の自炊」として再び注目を集めています。
どんな本を自炊するか?本の種類によって向き不向きがありますが、なかでも圧倒的に相性が良いのがレシピ本です。
紙の本でも電子書籍でも、レシピ本には共通する弱点があります。それは検索性の低いということ。
- 「いま冷蔵庫にある食材だけで作れるものは?」
- 「とにかく工程が少なくてラクなレシピは?」
- 「実際に作った人の間で一番評判が良いメニューはどれ?」
こういった条件でレシピを探そうとすると、ページを延々とめくったり、ネットのレビューや作ってみた動画を調べたりと、結構手間がかかります。せめて電子書籍ならテキスト検索ぐらいできてほしいのですが、固定レイアウト(画像)が多いせいか、なかなか思うようになりません。
この面倒を一気に解消するのが、Geminiのノートブックとディープリサーチの組み合わせです。
ステップ1:手持ちのレシピ本をノートブックに読み込ませる
まずは、購入したレシピ本から自分専用の検索データベースを作ります。
まずは、お手持ちのレシピ本のページ画像(撮影データやスクショ)を用意してください。
続いて、ノートブックを新規作成し、タイトルを設定します。

「ソースを追加」から画像データなどをアップロードします。

AIが画像内のテキストやレイアウトを直接認識してくれるので、これだけで全文検索できるレシピ本が完成します。
- 「ニラと豚肉を使う主菜レシピを出して」
- 「使う調味料が2つ以下のメニューを5つ教えて」
といった質問を投げかけるだけで、条件に合ったレシピを抽出してくれます。
ステップ2:ディープリサーチで「世間のリアルな評判」を掛け合わせる
検索できるようになっただけでも十分実用レベルですが、さらに「美味しい」、「失敗しにくい」、「人気がある」といった評価軸を加えるために、Geminiのディープリサーチを活用します。

チャット画面でディープリサーチを設定して、以下のようなプロンプトを実行します。

書籍『(本のタイトル)』に掲載されているレシピについて、Web上の評判や口コミをもとに以下を調査し、詳細なレポートを出力してください。
- 最も評価が高く人気のあるレシピ
- 初心者でも特に簡単に作れると評判のレシピ
- コツが必要、または好みが分かれやすいレシピ
数分待つと、ブログやSNS、レビューサイトの声を網羅したリサーチレポートが生成されます。
ステップ3:リサーチレポートをノートブックに追加する
出力されたレポートを、先ほどのレシピ本ノートブックに新しいソースとして追加登録します。

このひと手間で、本の正確なレシピデータと、ネット上のリアルな口コミ・知見がひとつのノートブック内で統合されます。本の内容をすべて把握し、世間の評判まで知り尽くした専属シェフがノートブックの中に誕生するというワケです。
ここまで整えば、質問の自由度は飛躍的に広がります。
- 「豚こま肉と玉ねぎがある。一番評判が良くてフライパン1つで作れるレシピは?」
- 「週末の来客用。手軽なのに手が込んで見えると絶賛されている副菜を教えて」
- 「レビューで『子どもに大好評』と書かれていたメニューをピックアップして」
というような感じです。
知っておきたい弱点と、おすすめの使い分け
便利なノートブックですが、使っていて感じる弱点もあります。
それは、取り込んだ元の画像(完成写真や手順写真)をそのまま画面に出力・表示させることができないという点です。
Geminiは画像の内容を理解してテキストで材料や手順を教えてくれますが、「この料理の完成写真をそのまま見せてほしい」、「盛り付けの見本画像を参照したい」といった視覚情報の出力をお願いしても出力してくれません((大して正確じゃない)画像を作ってはくれますが、元ネタを出してくれない……著作権の問題らしいです)。
そのため、以下のように役割を分けるのが一番ストレスのない使い方です。
- レシピの検索・選定・手順出しはノートブックにお任せ(食材や評判から一瞬で絞り込む)
- 完成イメージや盛り付けの確認は決まったら元の本やKindleの該当ページで確認
「何を作ろうか探す時間」をGeminiに肩代わりしてもらい、決まったあとのビジュアル確認だけ原本を見る。この割り切りをするだけで、日々の自炊(この自炊は本来の意味の “自炊” です)効率は劇的に上がります。
まとめ
手持ちの本を取り込んで読むだけだった従来の自炊から、AIに読み込ませて自分専用のアシスタントに育てる「AI時代の自炊」へ。
本棚や端末の中で眠っているお気に入りのレシピ本があれば、ぜひノートブックに読み込ませてみてください。毎日の「今日、何作ろう?」という悩みが驚くほどスムーズに解決します。
