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Geminiにちょっと支給要件がややこしい社内規程(住宅手当規程)を作らせてみる

takabon

就業規則や育児・介護休業等に関する規則は、社労士に作成を依頼したり、厚生労働省のモデル規則を活用したりしている企業が多いと思います。

こうした規則類は法改正や社内ルールの変更にあわせ見直すのが理想ですが、日々の業務に追われて後回しになりがちです。かといって、細かな変更のたびに社労士などの専門家へ依頼していてはコストも時間もかかってしまいます。

また、ネット上にある一般的なひな形は基本的な規則を策定する際には役立ちますが、自社独自の細かい手当や周辺規程となると、そのまま流用できない(というか、ネット上に落ちていないことも多い)ので、総務担当者が手作りしなければならないケースが少なくありません。

そこで重宝するのがGeminiなどの生成AIです。一見ややこしい自社独自の支給条件であっても、箇条書きで投げるだけで実用レベルの規程案を短時間で作ってくれます。

今回は、実際に社内で見直しが必要となった「住宅手当規程」を題材に、Geminiを活用した規程作成の具体的な手順とプロンプト例をご紹介します。

プロンプトの作り方

まずはGeminiに投入するプロンプト。

私が勤務している会社の場合、割と何でも複雑にしちゃう志向があって、住宅手当の支給についても同様の思想が色濃く出ていたりします。

  • 年齢で金額を分ける(20代なら●●,●●●円、30代なら■■,■■■円という具合。いつ時点で年齢を判定するかということも問題になる)
  • 賃貸でも持ち家でも支給する(申請にあたって提出させる書類が違ってくる)

こういったややこしい内容も、とりあえず「現状こうだ」「こんな風にしてほしい」ということに加えて、もろもろ気になることや考慮すべき点をどんどん箇条書きにしてプロンプトして入力します。以下、その例です。

住宅手当の規程を作ってほしいです。

■支給対象は正社員のみ(パートや契約社員には支給しない)
■持ち家であっても、賃貸であっても支給します。
ー持ち家の場合は、社員が世帯主である場合に支給します。
ー持ち家の場合は、社員が世帯主であることが分かる書類の提出を求めますが、どんな書類が適切でしょうか?規程に盛り込んでください。
ー賃貸物件の場合は、社員が契約者であることが分かる賃貸契約書を提出を求めますが、どんな書類が適切でしょうか?規程に盛り込んでください。
■金額について
ー30歳未満は●●●万円、30歳以上は■■■万円が支給されます。
ー毎年4月1日に、30歳に達している者は■■■万円に減額します。
■そのほか
ーこの手当は、申請があった翌月給与から支給します。
ー日割りはしません。
ー社員同士の結婚や同棲などで、二人ともが受給するようなことは避けたいです。不公平感がないように、どちらか片方に支給するように制度してください。

出力結果

前段のプロンプトをGeminiに投入して得られた結果が以下。

ほぼコピペで使えるレベルの住宅手当規程が秒で作れてしまいます。

住宅手当規程(案)

(目的)
第1条 本規程は、就業規則第〇条に基づき、社員の生活安定および福利厚生の向上を目的として支給する住宅手当に関する事項を定める。

(支給対象者)
第2条 住宅手当は、正社員に対して支給する。
2. 契約社員、パートタイマー、アルバイト、嘱託社員等の非正規雇用者には支給しない。

(支給要件)
第3条 住宅手当は、自ら居住する住居について次の各号のいずれかの要件を満たす社員に支給する。

  1. 持家の場合:社員本人が当該住居の世帯主であること。
  2. 賃貸住宅の場合:社員本人が賃貸借契約の契約名義人(借主)であり、かつ家賃を実質的に負担していること。

(重複支給の制限)
第4条 同一世帯(同居・事実上の同棲を含む)に住宅手当の支給要件を満たす社員が複数名存在する場合、住宅手当はいずれか1名に対してのみ支給する。
2. 前項の場合、支給対象者は原則として主たる生計維持者(世帯主)とする。世帯主の判断が困難な場合は、当事者間の協議・合意に基づき会社に届け出た1名に支給する。

(支給額および年齢基準)
第5条 住宅手当の月額は、次の各号に定める区分に応じた金額とする。

  1. 30歳未満の社員:月額 ●●● 円
  2. 30歳以上の社員:月額 ■■■ 円
  3. 年齢による支給額の改定は、毎年4月1日(基準日)において満30歳に達している者に対し、同月分(4月支給分または翌月支給分など給与締切に応じる)より適用し、第1項第2号の金額に減額改定する。

(申請手続きおよび提出書類)
第6条 住宅手当の支給を受けようとする社員は、所定の「住宅手当申請書」に、次の各号に掲げる区分に応じた確認書類を添えて会社に提出しなければならない。

  • 持家の場合
    • 住民票の写し(世帯主・続柄記載のもの、発行から3ヶ月以内)
    • 不動産登記事項証明書、または固定資産税納税通知書等の所有者名義が確認できる書類の写し
  • 賃貸住宅の場合
    • 賃貸借契約書の写し(契約者名、物件所在地、契約期間、家賃額が明記されているもの)
    • 住民票の写し(発行から3ヶ月以内)
    • その他会社が必要と認める書類(家賃支払いを証明する書類など)

(支給の開始・変更・終了および日割り計算)
第7条 住宅手当は、会社が申請書類を受理・承認した翌月の給与支給時より支給を開始する。
2. 住居の移転、賃貸契約の更新・解約、世帯状況の変更等により支給要件に変更が生じた、または要件を喪失した場合は、速やかに会社へ届け出なければならない。
3. 支給の開始、改定、終了に伴う日割り計算は行わない。月の途中で要件を満たした、または喪失した場合であっても、該当月の月額手当を全額支給、または支給しないものとする。

(不正受給の措置)
第8条 虚偽の申請その他不正な手段により住宅手当を受給したことが判明した場合、会社は過去に遡って受給した全額の返還を命じるとともに、就業規則に基づき懲戒処分を行うことがある。

ありがたいことに、運用していくうえでの肝となるポイントや解説も添えてくれます。

【実務上のポイント・提出書類の解説】

持ち家の場合の確認書類について

  • 住民票(世帯主・続柄記載)
    • 社員が「世帯主」であることを公的に証明するために必須となります。
  • 登記事項証明書(または固定資産税通知書)
    • 「実質的に本人が所有しているか(親名義の持ち家に同居しているだけではないか)」を確認するために提出を求めます。※親名義の持家でも世帯主であれば支給する方針の場合は、住民票のみで構いません。

賃貸住宅の場合の確認書類について

  • 賃貸借契約書(写し)
    • 社員本人が「借主(契約者)」であることを確認します。
  • 住民票(写し)
    • 実際にその物件に本人が居住している(住民票を置いている)実態を確認します。

※必要に応じて「家賃引き落とし口座の通帳コピー」等を求める企業もありますが、通常は賃貸借契約書+住民票で十分です。

社員同士の同居(二重受給防止)のポイント

  • 社内恋愛による同棲・事実婚・婚姻において、双方から住宅手当が申請されると不公平感が生じます。規程第4条により「1世帯(同居)につき1名のみ」と明記しておくことで、同居開始時の届出義務と二重受給の防止を明確に担保できます。

まとめ

今回は、少し支給条件が複雑な住宅手当規程をGeminiに作成させてみました。

ネット上で手に入るひな形は標準的な内容でしかないので、自社特有の支給ルールや細かな除外条件まで反映させるのは難しいです。

その点、Geminiを活用すれば、自社の細かな事情や条件をそのまま反映した規程のベースが数秒で完成します。さらに「運用の注意点」や「必要な提出書類」までセットで整理してくれるため、担当者の検討・作成工数を大幅に削減できます。

自社ルールの文書化や規程のアップデートに悩んでいる総務・人事担当の方は、ぜひ一度AIに下書きを作らせてみてはいかがでしょうか。

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